20260124イエスの父ヨセフ―混乱の中から始まる物語(マタイ1:18-25)
20260124土曜祈祷会
聖書:マタイ1:18-25
題目:イエスの父ヨセフ―混乱の中から始まる物語
讃美:320
説教:高曜翰 牧師
場所:大阪中央教会
“イエス・キリストの誕生の次第はこうであった。母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった。 夫ヨセフは正しい人であったので、彼女のことが公けになることを好まず、ひそかに離縁しようと決心した。 彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。 彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。 すべてこれらのことが起ったのは、主が預言者によって言われたことの成就するためである。すなわち、 「見よ、おとめがみごもって男の子を産むであろう。その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」。これは、「神われらと共にいます」という意味である。 ヨセフは眠りからさめた後に、主の使が命じたとおりに、マリヤを妻に迎えた。 しかし、子が生れるまでは、彼女を知ることはなかった。そして、その子をイエスと名づけた。”
マタイによる福音書 1:18-25 口語訳
1。ヨセフの物語
① 物語の出発点(18節)
❶「イエス・キリストの誕生の次第はこうであった。」
⑴理解不能な現実から始まっている。
⑵マタイはここで、栄光や喜びではなく「問題」から物語を始めている。
❷「マリアはヨセフと婚約していたが、一緒になる前に、聖霊によって身重になった。」
⑴原文では「発覚した」。望んで知ったのではなく、隠せなくなった事実を示唆。
⑵当時の社会では、これは決定的なスキャンダル。
⑶神の救いの計画は、人間の理解を超えた混乱の中で始まっている。
⑷ 「全て整ってから」ではなく、「説明できない出来事」から始まることがある。
② ヨセフという人物の内面(19節)
❶「ヨセフは正しい人で、彼女のことが公になることを好まず、密かに離縁を決心した。」
⑴「正しい人(ディカイオス)」とは律法を守るだけでなく、神の心を求める人。
⑵律法的に訴えることもできたが、自分が傷ついても相手を守る道を選ぼうとした。
⑶ ヨセフは「弱いから」ではなく、愛と信仰ゆえに葛藤していた。
③ 神は「考え抜いた後」に語られる(20節a)
❶「このことを思い巡らしていたとき…」
⑴神は、ヨセフが真剣に悩み、考え、苦しんでいるその途中で語られる。
⑵逃避している時ではなく、向き合っている時に神の声が届く。
⑶ 信仰とは、悩まないことではない。 神は、悩む信仰者を見捨てない。
④ 天使の言葉(20節b–21節)
❶「ダビデの子ヨセフよ、心配しないで…」
⑴「心配しないで」は羊飼いに言った「恐るな」と同じ単語。
⑵「恐るな」は神の介入の合図。
⑶「ダビデの子」と呼ぶことで、ヨセフが救済史の一部であることを示している。
❷「その胎内に宿っているものは聖霊による」
⑴これは説明というより、信頼を求める宣言。
⑵「おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるから」
⑶ 問題の子ではなく、 救い主であるという神の視点を伝えている。
⑤ 旧約の約束が「今、ここで」成就する(22–23節)
❶ 「主が預言者によって言われたことの成就するため」
⑴出来事を偶然ではなく「成就」として説明している。
⑵ 「インマヌエル」(イザヤ7:14)は不安と混乱の時代に与えられた約束。
⑶神は、「遠くで支配する方」ではなく、問題の只中に共におられる方。
⑥ ヨセフの沈黙の従順(24節)
❶「主の使が命じたとおりに、マリヤを妻に迎えた」
⑴祈ったとも、確認したとも書いていない。
⑵即座の行動が信仰を表している。
⑶信仰とは、感情が追いつく前に踏み出すことがある。
⑦ 救い主誕生を守る父(25節)
❶「子が生れるまでは、彼女を知ることはなかった。」
⑴ヨセフは、自分の権利より神の計画を優先した。
⑵「イエスと名付けた」ことで、父としての責任を正式に引き受けた。
⑶ヨセフは「血の父」ではないが、信仰によって父となった。
2。適用
①マタイ1:18–25は、奇跡の物語であると同時に、従順の物語。
❶神の計画は混乱から始まる
❷しかし、正しい人は混乱ではなく、葛藤する
❸そして、神は悩みの途中で語られる
❹最終的に、信仰は沈黙の従順として現れる
❺ヨセフは語らなかった。
❻しかし彼の人生は、こう語っている。「主の命じられたとおりに」
②この信仰はマリヤとイエスにも共通している。
❶御言葉通りになりますように。
❷この神の家族が決心したように、私たちの家族も決心できるように祈りましょう。

