20260711ヘロデ大王―自分の王座を守る者(マタイ2:13-17)

20260711土曜祈祷会

聖書:マタイ2:13-17

題目:ヘロデ大王―自分の王座を守る者

賛美:406

説教:高曜翰 牧師

場所:大阪中央教会

「彼らが帰って行ったのち、見よ、主の使が夢でヨセフに現れて言った、「立って、幼な子とその母を連れて、エジプトに逃げなさい。そして、あなたに知らせるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが幼な子を捜し出して、殺そうとしている」。 そこで、ヨセフは立って、夜の間に幼な子とその母とを連れてエジプトへ行き、 ヘロデが死ぬまでそこにとどまっていた。それは、主が預言者によって「エジプトからわが子を呼び出した」と言われたことが、成就するためである。 さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、非常に立腹した。そして人々をつかわし、博士たちから確かめた時に基いて、ベツレヘムとその附近の地方とにいる二歳以下の男の子を、ことごとく殺した。 こうして、預言者エレミヤによって言われたことが、成就したのである。」

‭‭マタイによる福音書‬ ‭2‬:‭13‬-‭17‬ 口語訳‬

1。ヘロデ大王

①エドム人でありながらユダヤの王となった人物

 ❶ローマを味方につけて、反対勢力を抑えて、自分の地位を守った。

  ⑴ハスモン王朝:内部抗争を利用し、王族を次々と殺害。

          元老院から王として任命される。

  ⑵パルティア帝国:ハスモン王朝の後ろ盾として侵攻。

           逃亡したが、アントニウスらの援助でエルサレム奪還。

  ⑶ナバテア王国:エジプトのクレオパトラの策略により戦争開始。

          裏切りや大地震を乗り越え勝利。

  ⑷エジプト:重要なエリコを奪われたが、アントニウスとクレオパトラの死後、

        アウグストに忠誠を誓い、土地を奪還し、王位を維持。

  ⑸ユダヤ人指導者たち:ローマにヘロデ家の支配をやめるよう訴える。

             神殿の再建という飴と弾圧という鞭で対応。

 ❷自分の地位を守るため、家族も次々と処刑

  ⑴妻のマリアムネ(ハスモン家の血筋)の弟(大祭司):民衆に人気があったから

  ⑵妻の祖父:パルティアとの内通容疑

  ⑶妻マリアムネとその母:クーデターの共謀容疑

  ⑷妻マリアムネとの息子2人:クーデターの共謀容疑

  ⑸別の息子アンティパトロス:クーデター容疑

  ⑹アウグスト「ヘロデの息子になるくらいなら、ヘロデの豚になった方がましだ」

   ※ユダヤ人は豚を食べないため

 ❸ヘロデは多くのものを持っていた。王宮、富、権力、名声など。

  ⑴しかし、家族、人間関係を失っていた。そして神様との関係を失っていた。

  ⑵自分は自分の力で守るしかなかった。

  ⑶だからマタイ2章で、「ユダヤ人の王としてお生まれになった方」と聞いて、

   全く喜べなかった。礼拝する代わりに、恐れた。

  ⑷なぜなら、心の中には、「私の王座を奪う者が現れた」という思いがあったから。

2。本文解説

①メシアの殺害計画

 ❶博士たちにメシアの誕生した場所を聞き出そうとした。

 ❷しかし、博士たちはお告げを聞いて逃げてしまった。

 ❸そのため2歳以下の男の子をことごとく殺害する命令を出した。

②なぜここまで残酷になれるのか?

 ❶問題は、神から許された王座を、自分の王座に変えてしまったこと。

 ❷与えられた時間、与えられた才能、与えられた財産、与えられた立場

  ⑴これらは全て神様から預かったもの。

  ⑵これを神のために用いるなら祝福になる。

  ⑶しかし、それを「これは私のものだ」と握りしめる時、

   私たちの中にも小さなヘロデが生まれる。

 ❸自分の王座を守ることの危険性。

⑴努力することや自分を守ること自体は悪くない。

⑵しかし、自分のプライドや地位、名誉、利益を守ることが人生の中心になると、

 人は人を敵として見るようになる。

⑶その結果、人を利用したり、裁いたりしてでも、自分を守ろうとしてしまう。

  ⑷ヘロデはその行き着いた姿であり、私たちも同じ罪の性質を持っている。


3。適用

①自分の王座を降りましょう。

 ❶今自分が持っているものは、自分が王だから持っているのではない。

  ⑴私たちの持っているものは真の王である神様から預けられているものにすぎない。

  ⑵本来は、持っていて当然の権利などなく、私たちは死んで当然の罪人である。

 ❷大切なのは、どれだけ持っているかではなく、誰のために用いるかである。

  ⑴神様のため、人々のために用いるなら、自分の人生を神様に委ねることができる。

  ⑵だから、人を恐れたり、自分の立場ばかりを守ろうとしたりしなくなる。

  ⑶しかし、自分のためだけに握りしめるなら、自分で自分を守るしかない。

  ⑷その結果、人を疑い、人を裁き、人間関係も神様との関係も壊れてしまう。

②イエス・キリストの生きる姿

 ❶イエスは真の王でありながら、自分の王座に執着しなかった。

 ❷むしろ、父なる神の御心に従い、自分の力も時間も命さえも捧げた。

 ❸その従順のゆえに、父なる神はイエス様を死者の中からよみがえらせ、天に上げ、

  すべての名にまさる名をお与えになった(ピリピ2:9)。

 ❹イエスとヘロデの対比は、神様の力で生きるヤコブと自分の力で生きるエサウの

  対比にもなっている。

③自分の王座を守る人生ではなく、真の王であるキリストに委ねる人生を送ろう。

 ❶確かに自分を守ること、大切にすることは大事である。

 ❷自分のプライドや利益を守ることが人生の中心になってはいけない。

 ❸神様は、私たちが損をしてもそれを損のままで終わらせる方ではない。

 ❹私たちの歩みを導き、必要なものを与え、最後まで守り支えてくださるお方である。

4。まとめ

① ヘロデのように自分の王座を守るか?それとも、イエスに王座を返すか?

②真の王であるキリストに人生を委ねましょう。

③その人を、神様は最後まで導き、守ってくださいます。

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