20251203動き出す時は力がいる(使徒27:1-8)
20251203早天祈祷会
聖書:使徒27:1-8
題目:動き出す時は力がいる
賛美:323、324
説教:高曜翰 牧師
場所:大阪中央教会
1.本文解説
(1)イタリヤへの出発
「私たちが船でイタリヤに行くことが決まった」とあるように、この旅にはルカも同行していました。「私たち」という表現は、ルカとパウロが共にいたことを示しています。
また、パウロのほかにも数人の囚人が同行していました。彼らはカイザルのもとで裁判を受けるため、あるいは剣闘士として戦うために送られる囚人であった可能性があります。しかし、パウロはローマ市民であったため、他の囚人とは扱いが異なっていました。
彼らを引率していたのは、ユリアスという近衛隊の百人隊長でした。彼は皇帝直属の部隊に属する高い地位の人物でした。
(2)アドラミテオの船での航海
一行は、アジア沿岸の各地に寄港するアドラミテオの船に乗って出発しました。アドラミテオとは小アジアにある港町の名前であり、まず小型の船でそこまで行き、その後ローマ行きの船に乗り換える予定でした。
この旅には、テサロニケ出身のマケドニア人アリスタルコも同行していました。彼はルカと同様に、カイザリヤで2年間パウロに仕えていた人物です。
翌日、一行はシドンに入港しました。カイザリヤから約110kmの距離です。ここでユリアスはパウロを親切に扱い、友人たちを訪ねてもてなしを受けることを許可しました。おそらくシドンの教会の人々であったと考えられます。
(3)逆風の中での航海
その後、一行は再び出発しましたが、向かい風のため、キプロス島の西側ではなく東側を通って進むことになりました。そこから北上してキリキヤに至り、さらに西へ進んでパンフリヤを通り、ルキヤのミラに入港しました。
ここまでの航海は約800km、14日間に及んだと考えられます。
ミラでは、イタリヤ行きのアレキサンドリアの船に乗り換えました。アレキサンドリアはエジプトの首都であり、そこからローマへ穀物が大量に輸送されていました。この船は少なくとも276人が乗る大型船でした。
しかし航海は順調ではなく、クニドまで進んだものの、風のため進路を変更せざるを得ませんでした。その結果、クレテ島の西側ではなく東側を進み、サルモネの沖を通過し、「良い港」と呼ばれる場所にようやく到着しました。その近くにはラサヤの町がありました。
2.適用
(1)出発には困難が伴うが、神の御業がある
パウロたちは神の導きによってイタリヤへ向かいましたが、その道のりは決して順風満帆ではありませんでした。向かい風のために進路を変更しなければならず、計画通りには進みませんでした。また、囚人たちと同じ船に乗るという状況も、人間的には屈辱的に感じられるものでした。
しかし、そのような状況の中にも神の御業が現されていました。ユリアスという高い地位にある人物がパウロに親切に接し、ルカやアリスタルコといった信仰の仲間が共にいました。さらにシドンでは教会の人々と交わる機会も与えられました。
このように、困難の中にも神の備えと導きがあることを忘れてはなりません。
(2)動き出す時には力が必要である
物体が動き始めるときには、摩擦に打ち勝つために大きな力が必要です。しかし一度動き出せば、慣性の法則が働き、前へ進み続けることができます。
同じように、信仰の歩みにおいても、最初の一歩には困難が伴います。しかし、その最初の苦労で諦めてしまうのは非常にもったいないことです。
(3)イエスの歩みと私たちの歩み
イエスの宣教の歩みも、決して順調なものではありませんでした。家族や故郷の人々でさえイエスを理解せず、同じ民族であるユダヤ人もイエスを受け入れませんでした。
それでもイエスは前に進み続けられました。
私たちもまた、すでに神から必要なものが与えられています。大切なのは、失敗を恐れずに動き出すことです。最初の苦労はどこにでもありますが、重要なのは完璧にすることではなく、まず始めることです。
(4)御言葉の勧め
「何事も不平を言わず、むだ口をたたかずに行ないなさい。
こうして、あなたがたは、この曲がりくねった世の中で、光り輝く子となり、神の子として、非の打ちどころのない者となるようにせよ。」
(ピリピ2:14–15)
3.まとめ
パウロのイタリヤへの旅は、最初から順風満帆ではありませんでした。しかし、前に進む中で神の助けが現されていきました。
私たちもまた、神の驚くべき御業を見るために、恐れずに前に進み出していきましょう。

