20251008主に立ち返る民(ルツ1:16-17)
20251008水曜礼拝
聖書:ルツ1:16-17
題目:主に立ち返る民
賛美:320、321
説教:高曜翰 牧師
場所:大阪中央教会
1.ルツ記とは何か
ルツ記は、五旬節(シャブオット)に読まれる書物です。この五旬節は、キリスト教では聖霊降臨節(ペンテコステ)にあたります。
まず、この祭りは単なる収穫の祝いではありません。
ユダヤ教においては、モーセに律法が与えられ、神の国の民となった日です。
一方、キリスト教においては、聖霊が与えられ、神の国の民となった日です。
では、この日に何を祝い、何を願うのでしょうか。
ユダヤ人はトーラーを学び、乳製品を食べ、シナイ契約を思い起こす礼拝を行います。また、神の民となったことを喜び、すべての民が律法を受け取る日を願います。
キリスト者は、教会の誕生を祝い、世界の人々が聖霊を受けて救われることを祈ります。
では、なぜユダヤ人はこの日にモアブ人が登場するルツ記を読むのでしょうか。
それは、収穫への感謝だけでなく、ダビデ王家の始まりを読み、ダビデの王国の到来を待ち望むためです。また、異邦人であっても信仰によって神の民に加えられるという神の恵みを覚えるためです。
クリスチャンにとってルツ記は、本来神の民になれない罪人が神の民へと変えられる物語であり、ユダヤ人と異邦人が一つになる物語です。そして、この書を通して教会の役割を考えることができます。
2.信仰の弱いナオミ
(1)ベツレヘムからモアブへの逃亡
ナオミは、食べるものがなくなりベツレヘムを離れてモアブへ行きました。
生きるために神から離れ、世の中へ向かったのです。
しかしその結果、夫と二人の息子を失いました。神を離れたことで、多くのものを失ったのです。
(2)モアブからベツレヘムへの帰還
ナオミは、主が民を顧みて食物を与えておられると聞き、帰還を決意します。
モアブでは、子どもを持たない未亡人は最も弱い立場であり、誰の助けも得られない状況でした。
(3)ルツとオルパとの別れ
ナオミは、嫁たちの将来を思い、それぞれの家に帰るよう勧めます。
自分と一緒にいても重荷になるだけだからです。
律法では、夫を失った嫁に子を与える義務がありましたが、ナオミにはそれを果たす現実的な可能性がありませんでした。
3.ルツの信仰告白
(1)言うことを聞かないルツ
ナオミは三度も帰るように言いました(8節、11節、12節)。
オルパは従い帰っていきましたが、ルツはナオミにしがみつきました。
ここで使われる「ダバーク」という言葉は、本来男女の結びつきを表す言葉であり、それほど強い結びつきを意味しています。
(2)理解しがたいルツの行動
ルツにとってナオミについて行くことには何の利点もありません。
若いモアブ人として故郷にいれば守られるはずでした。
むしろナオミにとっても、モアブ人を連れて帰ることは負担になる可能性がありました。
(3)ルツの信仰告白
ルツはこう告白します。
「あなたの行くところに私も行き、あなたの住むところに私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。」
ルツはナオミを通してイスラエルの神を見たのです。
そのため、神から離れるモアブへ戻ることを拒みました。
モアブ人であるルツが、ナオミを通して神を知ったのです。
(4)ナオミの信仰の弱さ
ベツレヘムに戻ったナオミは、不満を口にします。
「ナオミ(喜び)ではなく、マラ(苦しみ)と呼んでほしい」と言いました。
自ら神の地を離れたにもかかわらず、苦しみを神のせいにしたのです。
(5)ルツの信仰の強さ
それでもルツはつまずきませんでした。
ナオミの態度に左右されず、従順に歩み続けました。
ルツはナオミが好きだから従ったのではありません。
彼女自身の信仰を持っていたのです。
ナオミを通して知った神を信じ、今度は自分がナオミを支える者となりました。
4.適用:教会を建てる信仰
ルツの信仰告白は、教会を形作る信仰です。
ルツは自分の信仰を誇ることなく、弱ったナオミを支えました。
自分を主張せず、むしろ自分を無にする道を選びました。
人に失望するのではなく、その先におられる神を見て決断しました。
そして、困難な状況にあるナオミと共に生きることを選びました。
これはイエス・キリストの姿にも通じます。
神はそのひとり子をお与えになるほどに、この世を愛されました。
イエスは自分を守ることもできたのに、私たちを愛することを選び、十字架にかかられました。
私たちも同じです。
私たちは誰かを通して神の愛を見た者たちです。
だからこそ、自慢するのではなく、ルツやイエスのように愛する者となりましょう。
人に失望するのではなく、その人を通して見える神を見て決断しましょう。
5.まとめ
私たちは主に立ち返る民です。
そしてルツのような信仰告白によって、この教会は建てられています。
自慢する人を見て失望するのではなく、神を見て愛しましょう。
ルツのような異邦人も、ナオミのように弱い信仰の者も、共に主に立ち返る民です。
互いに支え合う教会を築いていきましょう。

