20230226信じるものは幸いです。(ヨハネ20:26-29)
20230226修練会説教
聖書:ヨハネ20:26-29
題目:信じるものは幸いです。
説教:高曜翰 副牧師
場所:중앙성서교회
内容:
信じる心は頭で理解するものではなく、心で主を体験するときに生まれます。主の愛と導きを体験できるよう、たとえ見えなくても、広い心でイエス・キリストを受け入れましょう。そこに本当の平安が訪れます。
0.はじめ
四福音書を読むと、イエス様がどれだけ私たちを深く愛しておられるかが分かります。
これほど私たちを愛してくれる方は他にいません。
だからこそ、「この方だけを信じたい」と願います。
しかし、信仰の道には妨げがあります。それが この世の価値観や世界観 です。
今日は、その価値観を乗り越えて信じ、平安を得た一人の日本人の証しを紹介します。
1.淵田美津雄(スライド1)
①真珠湾攻撃開始
- 1941年12月7日(日)朝7時55分。ちょうど礼拝前の時間帯でした。
- 宣戦布告なしにハワイ・オアフ島を奇襲し、約2400人が死亡。
- その衝撃は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロに匹敵します。
②海軍での立場(スライド2)
- 空襲部隊の総指揮官として攻撃を指揮。
- 敗戦後、GHQによる戦争裁判で取調べを受けました。
- 不思議なことに、逮捕も告訴もされませんでした。
③淵田の正義
- 戦争裁判を「勝者による一方的な裁き」と考え、納得できなかった。
- アメリカの弱みを探るため、帰国した日本人捕虜から話を聞き回りました。
- そこで耳にしたのは、重症の日本人捕虜に親切に尽くした若いアメリカ人女性の話。
彼女はこう言いました。
「私の両親は日本人に殺されました」。
2.マーガレット・コヴェル
①両親
- マーガレットの両親は日本で活動していた宣教師。
- 戦争激化のためフィリピンへ避難するも、日本軍にスパイ容疑で捕えられる。
- 処刑までの30分、聖書を読み、祈ってその時を迎えました。
②マーガレットの熟考
- 訃報を聞いた時、日本人に対して強い憎しみを抱きました。
- しかし「両親は死の直前、何を祈ったのか?」と何度も考えるようになります。
- 最後の祈りはきっと「日本人の救いのための祈り」だったと悟りました。
③マーガレットの行動
- 「両親は日本人に殺された」のではなく、
- 「日本人のために死んだ」 と理解し直しました。
- そして両親の意志を継ぎ、日本人の救いのために奉仕を始めました。
3.淵田の回心
①淵田の反応
- 淵田は「敵を憎まずに愛する」というマーガレットの行動に心を打たれました。
- しかし「彼女の心を変えたもの」が何か理解できなかった。
- その後、伝道紙を通して聖書を読み始めます。
②衝撃的だったルカ23:34(スライド3)
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは自分が何をしているのか分かっていないのです。」
- マーガレットを変えたのは「神の大きな愛」だった。
- その愛によって赦されている者の中に、自分自身も含まれていると気づいた。
- そしてキリスト者となりました。
③戦後の淵田の心理状態
- 敗戦により、これまで支えだった「正義・信念・誇り」を失いました。
- 帝国軍人として47年間築いた価値観が崩れ落ちたのです。
- 英雄から犯罪者へ転落したと感じていました。
④この世の価値観 vs 神の愛
- この世の価値観は、一瞬でひっくり返る。
- 人間が作る評価や権威は、時代や場所によって変わり、脆いもの。
- しかし 神の愛は永遠に変わらない。
- 自分が赦された者であると悟った時、憎しみの相手をも赦すことができました。
⑤淵田の行動の変化
- 戦争裁判の不当性を追及することをやめた。
(それを探すのは壊れた価値観を立て直したい苦しみの表れだった) - 神の愛を伝える伝道者になる決断をした。
- 自分が裁かれずにいる理由が「神の憐れみ」であることに気づいたからです。
4.淵田の新たな人生
①伝道者としての活動
- 1951年、大阪の堺教会で洗礼を受ける。
- アメリカで伝道活動を開始。
- 1976年に亡くなるまで、日本とアメリカを往復し伝道者として活躍。
→ 憎しみを和らげ、多くの人に和解をもたらしました。
②アメリカで出会った女性
- 真珠湾攻撃の日、夫を失い、同じ日に息子を出産した女性。
- 淵田を憎んでいたが、彼が回心したと知ると喜び、
信仰のない息子のために自宅に招待した。 - 神様の愛は、壊れた人間関係をつなげる力があるのです。
→ 淵田は キリストの愛を通して平安を得た のです。
5.平安はどこにある?
①この世の考え
- 「これさえあれば幸せになれる」という価値観。
例:夫が〜、妻が〜、家が〜、お金が〜。 - 淵田も「復讐すれば平安が来る」と思っていました。
相手が苦しまないと気が済まない――それが世の考えです。
②神の国の考え
- 神様が共にいるだけで平安がある。
- マーガレット:両親を通して神を見たとき、憎しみが消えた。
- 淵田:マーガレットを通して神を見たとき、アメリカを赦した。
- 相手が変わるのではなく、自分が変わると世界が変わる。
③神様を通して平安を得るには?(スライド4)
- この世の価値観を砕く必要がある。
- 間違った価値観を抱えたままでは神の愛を受け取れない。
- 価値観が砕かれた時、神に出会う場所ができる。
- 信仰を立て、平安を得ることができる。
③淵田の場合
- 敗戦で価値観が砕かれた。
- マーガレットの愛を通して神の愛を知った。
- 自分が立つべき土台が「価値観」ではなく、「永遠の神の愛」であると悟った。
→ 崩れた価値観の上に信仰を立てた時、平安が訪れた。
6.トマスの事件
①トマスの疑い
- 「目で見るまでは信じない」と言ったトマス。
- 世の価値観では、証拠がなければ信じるのは愚か。
- しかし信仰では、信じない者こそ損をする。
②トマスと他の弟子たちの違い
- 8日間、他の弟子は喜び、トマスだけが悲しんでいた。
- 信じる者に平安が訪れる。
- この世の常識を降ろして、イエスに近づく必要がある。
→ 世の価値観を降ろし、信じる者は幸いです。
③イエスの言葉(マタイ6:30−33)
- 必要なものを心配するのは「異邦人」。
- 「これさえあれば幸せ」ではなく、
「神様だけで十分幸せ」 である。 - 必要なものは神の国を求める時に与えられる。
7.結論
①この世の価値観
- 「これさえあれば幸せ」
- 憎しみ、復讐で平安を得ようとする心
- トマスのように、見なければ信じない心
→ この世からは完全な平安は来ない。
②神の国の価値観
- 神様だけで幸せになれる
- 相手ではなく自分が変わる時、世界が変わる
- この世の価値観を全部降ろして神に向かう
③そして…
淵田も、マーガレットも、トマスも、
神様を通して平安を得た。
『信じる者は幸いです。』
「これさえあれば幸せ」ではなく、
「神様だけで幸せだ」 と信じましょう。

