20250716イエスによるエクソダス(ルカ9:30-31)
20250716水曜礼拝
聖書:ルカ9:30-31
題目:イエスによるエクソダス
賛美:520、521
説教:高曜翰 牧師
場所:大阪中央教会
「すると見よ、ふたりの人がイエスと語り合っていた。それはモーセとエリヤであったが、栄光の中に現れて、イエスがエルサレムで遂げようとする最後のことについて話していたのである。」
(ルカ 9:30−31 口語訳)
1.過ぎ越しの祭り(ペサハ)とは何か
過ぎ越しの祭りは、単なる宗教行事ではなく、神の救いを記憶し、次世代に伝える重要な祭りです。
① 日時と構成
ユダヤ暦の1月14日から21日までの8日間行われる春の祭りで、
1日の「過越の祭り」と、7日間の「種なしパンの祭り(除酵祭)」から成ります。
この期間には、家の中からすべての発酵食品を取り除きます。酵母は罪の象徴とされています。
② 食事の内容
- 種なしパン:急いで出エジプトした出来事の記念
- 苦菜:エジプトでの苦しみの象徴
- 羊の肉:子羊の血によって死を免れた救いの記念
- ぶどう酒:後代に定着した4つの杯(聖別・解放・贖い・賛美)
③ 意味
- 神の契約の民であることを思い出す
- エジプトからの解放という救いを記念する
- 次の世代に伝える使命を再確認する
④ エリヤの席
食卓にはエリヤの席を用意し、扉を開けておきます。
これは、メシアの前に来るエリヤを迎えるためです。
しかし、本来良い意味を持つこの祭りも、メシア理解の誤りによって形骸化していました。
私たちもまた、イエスを誤って理解していないか問われます。
2.ルカ9章の出来事(変貌の山)
① 背景:ペテロの信仰告白
ペテロはイエスを「神のキリスト」と告白しました。
しかしイエスは、ご自身の使命として
「苦しみ、捨てられ、殺され、三日目に復活する」と語られます。
これは当時のメシア観とは大きく異なり、弟子たちには受け入れ難いものでした。
さらにイエスはこう語られます。
「自分を捨て、十字架を負って従いなさい。」
成功を期待していた弟子たちにとって、衝撃的な教えでした。
② 8日後:山の上での出来事
イエスはペテロ、ヨハネ、ヤコブを連れて山に登られました。
- イエスは祈りの中で栄光に輝いた
- モーセとエリヤが現れた
モーセとエリヤの意味
- モーセ:律法の代表、出エジプトの指導者
- エリヤ:預言者の代表、神へ立ち返らせる者
彼らは、イエスがエルサレムで遂げる「最期」について語っていました。
ここで使われている言葉が
ἔξοδος(エクソドス)=脱出・出発 です。
つまり、イエスの十字架は「新しい出エジプト」なのです。
- 旧:約束の地へ向かう民族の脱出
- 新:罪と死からの霊的脱出
③ ペテロの誤解
ペテロは「ここに幕屋を建てましょう」と言いました。
これは、栄光の状態が続くと誤解したためです。
また、イエスをモーセやエリヤと同列に扱う誤りでもありました。
④ 神の声
雲の中から声がします。
「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け。」
その後、イエスだけが残りました。
これは、イエスが唯一の救い主であることを示しています。
3.神学的解説:イエスのエクソドス
① 人々のメシア観と神の計画の違い
人々の期待
- ローマからの解放
- 地上の王国の回復
神の計画
- 罪と死からの解放
- 神の国への導き
つまり、肉体的ではなく霊的なエクソドスです。
② 聖餐式の意味
イエスはご自身のエクソドスを記憶するために聖餐を与えられました。
- パン:裂かれたキリストの体
- 杯:罪の赦しのための血
これにより私たちは
- 神の契約に入れられ
- 神の国の民とされました
③ 記憶すべき3つのこと
- 罪と死から解放されたこと
- 血の契約に入れられたこと
- 他者を解放する使命が与えられたこと
4.私たちの使命:エクソドス
① ペテロの変化
以前のペテロ
栄光にとどまろうとした(幕屋を建てる発想)
後のペテロ
- 自分の体を「幕屋」と呼ぶ
- 死を「エクソドス」と理解する
つまり、使命を理解する者へと変えられました。
② 私たちの使命
世の考え
- 問題解決
- 成功する人生
聖書の教え
- 罪と死からの解放
- 神の国への導き
私たちは、人々をこの世の価値観から解放するために生きています。
5.まとめ
- イエスの目的は「エクソドス(脱出)」である
- それは罪と死から神の国への救いである
- 私たちも同じ使命を担っている
そして、聖餐式を通して次のことを思い出します。
- 自分の救い
- 神との契約
- 与えられた使命
イエスの目的がエクソドスであったように、
私たちの使命もまたエクソドスです。

